3月1日、令和4年度卒業証書授与式が行われました。
「卒業生、入場。」
華やかなコサージュを付けた卒業生たちが、緊張した面持ちで入場してきました。顔を上げ、足並みをそろえて姿勢正しく入場する姿は、とても凛々しく、たくましかったです。
【開幕演奏】
内子高校郷土芸能部名物の大太鼓を、女子生徒2名が演奏しました。重厚な音が、会場の床、空気に響き渡り、会場の雰囲気が”ぐっ”と引き締まりました。
【国歌斉唱】
入学当初から、新型コロナウイルスの影響でたくさんの我慢を強いられていた卒業生だからこそ、何とか歌わせてあげたいという内子高校教職員の強い思いが現実となりました。卒業生にとって、この体育館でみんなで歌うのは、これが初めてです。マスクを着用して、大声を控えながらではありましたが、気持ちを込めて一生懸命歌おうとする意思が伝わってきました。
【卒業証書授与】
マスクを着用しながらではありましたが、一人一人が堂々と返事をしていました。返事の後は、マスクを外した生徒たちもいました。
【賞状授与】
優等賞、3か年皆勤賞、功労賞の表彰がなされました。3年間の輝かしい成果です。
【校長式辞】
卒業生や保護者の方々へのお祝いの言葉、そして、「がんばれ」という励ましだけではなく、「大丈夫だよ」という寄り添いの気持ちを大切に生きてほしいという強い思いが伝えられました。
【愛媛県知事祝辞、愛媛県議会議長祝辞、来賓祝辞、来賓紹介】
今後、目まぐるしく変化する社会を生きていく上で大切なことが、生徒たちの心にしっかりと刻まれたことでしょう。
御多用の中、御列席いただき、温かいお祝いの言葉を卒業生にお贈りくださいました来賓の皆様、ありがとうございました。
また、多くの祝詞・祝電も頂戴しました。ありがとうございました。
【在校生代表送辞】
緊張をぐっとこらえながら堂々と話す姿は、きっと卒業生に「母校のこれからを託すことができる」という安心感を与えたことと思います。
【卒業生代表答辞】
ステージに飾られた花の周りに蝶が飛び回っており、答辞の中で3年生に向けた話が始まった途端、舞台下手に飛んで消えていきました。それはまるで、卒業生の晴れ舞台を祝い、学び舎から羽ばたくことを誘(いざな)っているようにも見えました。
答辞は優しい口調で、3年間の思い出と多くの方々への感謝の思い、そして、これからの決意が述べられました。
答辞の中で、印象に残ったところ(私にとって、ですが。)を紹介します。
「みなさんは覚えていますか。大雨の中応援練習が中断され、不安な顔でグラウンドを眺めていると、突然先生たちがリレーを始めた日のことを。泥んこになりながらはしゃいでいる大人を見たのは、初めてでした。しかし、私たちは知っています。先生たちの優しさであったことを。途方に暮れて意気消沈している私たちを、大爆笑させ、勇気付けようとしてくれていたのですよね、先生。」
実は、この記事を書いている私も、そのリレーに参加した一人です。我々の行為に秘めた思いを理解し、感謝してくれて、さらに生徒の思い出の1ページになれたことを、とても嬉しく思うと同時に、教員としてのやりがいを改めて感じました。
【唱歌「仰げば尊し」、校歌斉唱】
鼻をすすりながら抑えきれない涙を必死に我慢しようとしながら歌う声は、我々教職員、そして保護者の方々の心の奥まで届いたはずです。それは、面と向かって言えない「ありがとう」を、歌声で届けているようでした。本校生と教職員の全員で歌う校歌も、今日が最初で最後……みんなで歌詞の意味をかみしめながら歌いました。
「卒業生、退場。」
温かい拍手に背中を押されるように、卒業生は会場を後にし、それぞれの未来へと旅立っていきました。
きっと、これからは、今までよりももっともっと険しい道が待っていることでしょう。そんな時は、3年間の高校生活で学んだことを胸に、自分を信じて、まっすぐ進んでいってください。
未来を担う若者よ!羽ばたけ!
本校を巣立った皆さんに幸多かれと祈っています。
本年度は歌唱はできましたが、それでも列席者数に制限をするなど引き続きコロナ対策を講じての卒業式でした。そうした中でも、厳かで温かみのある祝意に満ちた卒業式になったと感じています。卒業式を支えていただきました全ての皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。