2024内子高校だより

共通テストが終わりました!そして、もうすぐ卒業式ですよ。

2025年1月20日 18時00分

みなさん、こんにちは。

 かなり寒くなりましたね、とはいえこの週末はまだ暖かい方でしょうか。

 さて、今日は昨日、一昨日と行われた共通テストに関することと、もうすぐ2月、つまり、家庭学習期間に入り、3年生がいなくなるということで、3年生担任である私の寂しい想いを延々とつづりたいと思います。本校生徒が活躍した内子町駅伝については、明日、お世話をしてもらった体育科の方から報告がある予定です。

 まずは、共通テストです。共通テストは以前でいうところの「センター試験」です。名前は変わりましたが、扱いはほぼ同じで、多くの大学が入試の一つとして取り入れており、全国共通の試験により偏差値が算出されます。本校からは十数名の生徒が受験しました。中にはもう推薦入試などで結果が出ている子もいますが、最後まで勉強し、試験に臨んでくれました。というのも、共通テストの申し込み自体は11月くらいなので、1月までの間に進路が決まった生徒には必要がないものなのですが、力試しのため、あるいは、一緒に頑張ってきた仲間を応援するためにも一緒に受験する場合が多いのです。キャンセルが利きませんし。。。

 そして、今日はその自己採点をしています。

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 各々、一喜一憂しながらの自己採点となります。やってきたことがうまく結果に表れた生徒、頑張ったのに・・・と悔しがる生徒、様々ですが、進路実現に向けてこの数か月間必死に勉強してきたことは変わりません。一発勝負の性質上、どうしても全員がうまくいくとは限りませんが、どんな勝負であれ、そこに至るまでの経緯は変わらないはずです。そして、その努力してきた時間こそ、本当に価値があるものだと感じています。

 生徒たちは、今回の結果を武器に、大学個別試験に臨むことになります。いわゆる2次試験です。今回の結果を挽回することもできますので、ぜひ全力を出し切ってほしいと願います。少なくとも、全力を出した、という感覚を抱ける取り組みをしてほしいと感じます。

 では、次に、3年生全体のお話。

 もうすぐ卒業式です。その前段階として家庭学習期間というものがあり、3年生は登校しなくなります。寂しくなりますね。

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 31Rの背面黒板です。やたら「席替え」したいという気持ちが目立ちますが、卒業式まで残り15日だそうです。こういうカウントダウンは卒業式前あるあるです。きっと、学校を出て大人になる子どもたちにとっては待ち遠しいものなのだろうと思いますが、私は寂しく思います。という話を自分のクラスにはしているので、32Rには書いてません(気を遣ってくれています笑)。
 でも、漠然とした不安があるなら、こうしたカウントダウンはしないものです。きっと、ワクワク・ドキドキ・楽しみ!という気持ちが根底にあるのだと思うので、それはとても良いことだと感じています。進学にしても就職にしても、来年の4月からのことを考えている子は多くいます。下宿先などを選定しているとそうなりますよね。そうすると、自然に将来に目が向き、ワクワクしてくるのは当然のこと。明るく楽しい、幸せな人生にしてくれることを祈ります。

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 とはいえ、私は寂しい限りです。正直に言いますが、全員留年したらいいのに。と思っています。本気で思っています。理科の点数をいじってやろうかとも思うほどです。でも、当然、そういうことはできるわけもなく、ただただ見送るのみです。でも、本当に寂しいですね。全員留年したらいいのに。

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 この子たちは、1年生のときから持ち上がりで担当してきた子たちです。ですから、中学卒業したての鼻たれ小僧のときから立派な大人に近づく過程を見させてもらった子たち。本当に大きくなりました。身長や体重もそうですが、心です。精神的な成長、人間性の成長が顕著にみられます。そういう過程を見られるのが高校教諭の醍醐味で、幸せな部分でもあります。特に3年生の担任は、その子の将来のことを一緒に考えることができる、将来について悩み、成長していく様を間近でみることができる幸せな仕事だと思っています。忙しかったけど本当に楽しいと感じます。

ですが、これまで24年間教員をしてきて、この時期になるといつも一つの疑問が浮かびます。

「私はこの子たちに何をしてあげられたのだろうか」

 ということです。私は自分の子育てと同じく、教育は手探りの部分が多いように感じます。生徒は一人として同じ子はいないのだから当然のことです。まだ1年生のときからずっと担当している子たちはよくわかっているのですが、今年だけ、2年生だけ、という生徒もいます。そういう短い関わりしかなかった子たちに、私は何ができたのだろう、と。いつも大局を見て、その子にとって最善の指導をしたいと思っているつもりではいますが、細かいことを見逃しているだろうし、私もミスすることもありますし、分かりやすくいうと、「自信がない」のです。偉そうに、さも大切そうなことを、当然のように話してきましたが、本当にそれでよかったのか…という疑問はずっとあります。
 だからこそ、私たちは日々アップデートしていく必要があるのだと思います。その時最善だと思ったことが、本当に最善だったのかを、その時しっかり振り返って、見極める必要があるなと感じています。後から反省しても、それを生かせるのはその子ではなく、後輩です。その子の人生はその時だけであり、私たちがいくら反省したからといって、その子に反映されるものじゃない。だからこそ、今最善であるかどうかをしっかり熟考したい。
 といっても、まぁ、「自信がない」んですよ。私は常に、10年後、20年後を考えて言葉かけをしているつもりです。特に進路指導ではそうです。ただ大学や専門学校に受かればいいとは、微塵も思いません。その厳しい指導の中でその仕事に向いていないのが分かったならそれでいいとさえ思っています。それが、どれくらい役に立つのか、正直未来の話過ぎてわかりません。でも、何かにつけて話してきたことは、誰が言ってたのか思い出せないけど、なんか心にある、という状態になってくれたらいいなと・・・思ってはいますが、どうなんでしょう。

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 その答え合わせは、この子達が大きくなって、30歳、40歳くらいになって同窓会なんかして呼んでくれたら、可能なのかなと思っています。

 3年生は本当にかわいらしい子たちでした。あなた、将来絶対だまされるからね、という子がたくさんいます。その辺も心配です。人が良すぎるというか、素朴で素直すぎるのです。とてもいいことですが、心配です。だから、もうちょっと高校生活を送ってもいいのではと思いますが、そうもいきません。残り少ない高校生活で、伝えられることを伝えて、私にも、子どもたちにも後悔のない、かけがえのない時間にしていきたいと思っています。

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 今は授業中なので、廊下がこんな寂しい感じですが、2月からは常にこうなります。寂しいですね。本当に。全員留年したらいいのに。

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 うちのクラスの背面黒板に置いてるマグネット。誰かが階段にしてました。先日は、他のマグネットと合わせて、色とりどりのキノコを作ってました。こういう何気ない日常の痕跡が幸せを感じます。これまで何回も3年生の担任をしてきましたが、用があって入る教室が、まったく変わらないのはすさまじく寂しいです。そりゃ、人が入らないのだから、前回と今回で椅子が動いていることもなく、落書きが増えることもない。まるで時が止まったかのような印象を受けます。みんなは将来の準備をたんたんと進めているのに、担任だけ時が止まるのです。寂しいですよね。ほんと。全員留年したらいいのに。

 ということで、今日もダラダラいらぬことを書いてしまいました。生徒のことを書けよ、とお叱りを受けそうなものですが、まだ受けてません。そろそろ怒られそうです。でも、本当に寂しいなと常に感じています。でもでも、不思議と卒業式であんまり泣いたことはありません。なぜでしょう。たぶん、晴れの舞台、というイメージが私にあるからだと思います。将来への第一歩としての卒業式だ、と思っているんでしょうね、きっと。自分のことなのに、よくわかりません。無事に送り出せた安心感もあるのかもしれません。

 でも、やっぱりあと数年はこの子たちと過ごしたいなと思える、気持ちのいい子たちです。よくここで書いてますが、私はこの子たちが大好きです。あー、なんかそう言ってたら、ますます悲しくなってきましたね。大好きですね。

 あ、今、理科で誰かの疑問を誰かが回答する、という課題を出しています。その中に「大好き、愛してる」以上の言葉は何だと思いますか?という質問がありました。その質問に科学的に回答しなきゃいけなくなった生徒は大変だと思いますが、とても興味深い質問です。

 今回についても、なんかこの子たちが「大好きです」という言葉では、ちょっと足りない気がしてます。何でしょうね、大好き以上の言葉とは・・・。

 ということで、今日はここまでにしたいと思います。寂しくなってくるので、やめます。もう、、、3年生全員留年したらいいのに。